これから高齢出産を迎え、不安な方へ【高齢出産体験ブログ-30-3】
最終回 出生前診断を受けるか受けないか
私の人生最初で最後の出産は41歳の時です。
一般的には35歳以上の出産を「高齢出産」と呼ぶらしいのですが、それからさらに6年も歳をとった状態での出産でした。
41歳の体が10カ月の妊娠に耐えられるのか、とても心配でした。
でも、高齢妊婦にとって、自分の体がどうなろうと一番心配なのは、赤ちゃんが健康で生まれてきてくれるかということでしょう。
もっとも気になるのは、母体が高齢だと確率が高いといわれるダウン症です。
今は出生前診断の技術が向上し、また、検査を行う施設も増えたため、診断を受ける妊婦も多いと聞きます。
私が妊娠した10年前も羊水を採取して染色体を調べる出生前診断はありました。
実際、心音を確認した医師に、羊水検査についての説明書を手渡されました。「ご主人とよく考えてください」と。
結婚して21年。夫も私も、何が何でも子どもが欲しい、とは考えていませんでした。
今でいう「妊活」も行わず、かといって避妊もせず、ごく自然な夫婦生活を送っていました。
こうのとりのご機嫌に100%任せた状態です。
それで21年できなかった赤ちゃん。
それが40を過ぎたこの体に宿るなんてことは考えもしていませんでした。
つきつけられたのは、半年前には考えもしなかった高齢出産のリスク。
医師から渡された説明書を見て夫婦で話し合いました。
でも、二人とも考えは決まっていました。「こうのとりに任せたこの小さな命、いまさら何を迷うことがある?」
次の診察の時、私は医師にはっきりと言いました。「出生前診断は受けません。」
高齢出産を控えた妊婦さんの中には、すでに出生前診断を受けた人もいるかもしれません。
悩んだけれど受けなかったという人も多いでしょう。
いま、おなかの子の健康に不安を持つ高齢妊婦さんに「どんな赤ちゃんが生まれても受け止める覚悟を持って」なんて偉そうなことは言えません。でも、これだけは言えます。
生まれてくる子は、何があってもあなたの子です。
あなたを求めて泣き、あなたの匂いとやさしい声に包まれて、あなたの胸で安心して眠るのです。
あなたのぬくもりを求めて、10ヶ月間、頑張ってきたのです。
そんないたいけな命を、愛しいと思わない母親がいるでしょうか。
生まれてくる子は、あなたが思っているよりも目が小さいかもしれない。
あなたが期待するよりもちょっと不器用で、計算が苦手かもれない。
でも、それでも、正真正銘あなたの子。
だれよりもあなたのことが大好きで、あなたの笑顔が見たくて、あなたに愛されたいと思っている、あなたの子です。
そのことだけ忘れずにいれば、きっと、あなたも、これから生まれてくるあなたの子も、愛にあふれて幸せになれるはずです。
安産をお祈りします。
- 第1回 「41歳で突然の自然妊娠は戸惑いだらけ。」
- 第2回 「妊娠高血圧症。そして低体重出生児出産。」
- 第3回 「これから高齢出産を迎え、不安な方へ」