妊娠高血圧症。そして低体重出生児出産。【高齢出産体験ブログ-30-2】
第2回 不安でいっぱいの妊娠生活
初産を控えた女性にとって、妊娠以降の体に起きてきた変化はすべて始めて体験することです。
40を過ぎた妊婦も、18歳の初々しい妊婦さんも同じで、これから起こることはすべて未知のこと。
不安でいっぱいなのです。
41歳で思いがけず妊娠した私は、他の若い妊婦さん以上に体の変化に神経質になっていました。
「はじめての妊娠・出産」系の本を何冊も読みあさったり、テレビの出産のドキュメンタリー番組を食い入るように見たり。
情報だらけで、とても頭でっかちになっていました。情報のひとつひとつを自分の体の変化に当てはめている感じでした。
少しでも違和感を感じたら病院へ行くこと
妊娠6カ月あたりから、「おなかの張り」を感じました。
今思えば、41歳の妊婦はすぐにでも病院に行くべきでした。
でも私はなぜか「妊娠中にはよくあること」というどこかの雑誌で見かけた言葉を信じ、特別なこととは思っていなかったのです。
この頃、妊娠前からずっと100前後だった最高血圧が、ポンと120位まで上がりました。
それに加え、体重が妊娠前よりすでに7キロ増えていました。もともと血圧も低め、体重も少なめだったためか、医師からは「ちょっと塩分と体重増加に気をつけて」の一言だけ。
私は「ちょっと」を言葉通りに受け止めてしまったのです。
おなかの張りと血圧上昇。あの時の私はなぜこの時芽ばえた小さな不安を医師に告げなかったのでしょうか。
妊娠7カ月の検診の後、母子手帳を見て私の不安は急に大きくなりました。
子宮底長や腹囲が6カ月検診の時からほとんど増えていないのです。
本には「このころから急に赤ちゃんが大きくなる」と書いてあるのに。
不安を告げると、看護師さんの答えは「計測の誤差もありますからね。大丈夫ですよ」
8か月検診では尿に蛋白が。
最高血圧も130を超え、そこで初めて医師はNICUのある病院への転院を勧めました。や
っぱりこれは異常なんだ・・・。
不安に押しつぶされそうな気持で、紹介状を手にそのまま勧められた病院に向かいました。
初対面の医師は結果を見るなり「即入院です」。
妊娠高血圧症でした。
無事に低体重出生児
妊娠38週と3日を迎えた朝、私は男の子を出産しました。約1900グラム。
早産ではなく、低体重出生児でした。
胎盤はとても小さかったそうです。
赤ちゃんが小さいから胎盤も小さいのですか?と聞いたら、
「胎盤が小さいから大きくなれなかったんでしょうね」と言われました。
涙が出ました。どうして何もしてあげなかったのか、と。
あのおなかの張りは、ママから栄養が届いてないよぉという赤ちゃんからのサインだったのです。
子供は元気にすくすくと。
子どもは何の障害もなく、今も元気に育っています。
でも私がもっと自分の体のサインに耳を傾け、自分の不安をはっきりと告げていれば、出産までの経過は違ったかもしれません。
おなかの張りを医師に伝え、この血圧の上昇は問題ないのかと納得いくまで話を聞いていたら、そして早い時期に投薬や入院などの措置を受けていれば、もっと立派なおなかになって、もう少し大きく育った赤ちゃんを産めたのだろうと、今は思っています。
高齢出産とはいっても、すべての医師が妊娠初期から出産後まで手厚く診てくれるとは限りません。
実際私は、妊娠初期、中期から後期、出産直前と3つの病院に行きましたが、胎児の成長に一番大事な時に通っていた2番目の病院が、残念ながら高齢妊婦に対する認識が甘かったのだと思います。
世の中にあふれる情報を鵜呑みにしたり、患者を事務的にさばく医療従事者の言いなりになったりしないで、自分の体が発するサインを信じて自分の不安や疑問を声に出すことが、何より大切だと思います。
- 第1回 「41歳で突然の自然妊娠は戸惑いだらけ。」
- 第2回 「妊娠高血圧症。そして低体重出生児出産。」
- 第3回 「これから高齢出産を迎え、不安な方へ」