人工授精後はどうするのが良い?
精子を子宮内に直接注入する以外は、ほとんど自然妊娠と同じ人工授精
人工授精とは、男性から精子を採取し、女性の子宮内にカテーテルを利用して精子を直接注入して妊娠を目指す不妊治療の一つであり、主に男性不妊が原因となる不妊症の際に、人工授精が採用されているようです。
人工授精は、精子を子宮内に直接注入する以外は、ほとんど自然妊娠と同じです。
そのため、人工授精後の過ごし方で大きく妊娠率が変わることはなく、受精して着床するまでの短期間で、何かをしたから妊娠率があがる、何かをしなかったから妊娠率が下がる、というような影響がある行為は基本的にありません。
ただし、人工授精に関しても、自然妊娠も同じように、妊娠したかどうかを気にして神経質になってしまい、そのことによる不規則な生活やストレスによって妊娠を妨げてしまうという恐れはあります。
したがって、人工授精後の過ごし方としては、無理に安静に過ごそうとせず、普段通りの生活を心がけることが大切となっています。
冷え性に対する対策をすることも重要
また、生活習慣の改善で、妊娠しやすい体作りを目指すことは可能ですので、例えば冷え性に対する対策をすることも重要です。
冷え性によって体内の血流が悪くなり、着床に必要な子宮内膜の成長に影響が出て、妊娠しにくい身体になってしまったり、冷え性が原因で生理不順になっている女性も多く存在しています。
このように冷え性は「体の冷えは万病のもと」といわれるように、体調を悪化させやすい体質ですので、寝るときは腹巻をする、足首を冷やさないように靴下を重ね履きする、身体を温める飲み物を積極的に摂る、適度な運動を行うといった行動を心がけるようにしましょう。
葉酸サプリメントを摂取することをおすすめしたいと思います。
子宮環境を良くし、着床しやすくして妊娠率を上げるという意味では、栄養バランスの取れた食生活で身体の調子を整えることが大切であり、そのために葉酸が効果的といわれています。
厚生労働省も胎児の神経管閉鎖障害のリスクを下げるためにサプリメントでの摂取を推奨していますので、不妊治療として人工授精を進めている人は、葉酸サプリメントを摂取することをおすすめしたいと思います。
さらに、身体の血行を悪くし、妊娠に重要なホルモンの分泌や体内環境に影響を及ぼす要因としてストレスが挙げられます。
ストレスの発散や血流の改善には、ウォーキングやストレッチといった適度な運動がおすすめですので、激しい運動は控え、心地よい疲労を感じる程度の運動を行い、ストレスを適度に発散させるようにしましょう。
その他、人工受精後の注意点としては、酩酊するくらい飲酒しない、毎日夜更かしをしない、喫煙はしないといったことがあります。
特に喫煙は、体の血流を悪くし妊娠率を下げたり、また、妊娠した後も早産の確率が上がったり、胎児の発育が悪かったりと、悪影響がありますので、喫煙している方はすぐにやめるようにしましょう。
人工受精後の夫婦生活については、基本的には夫婦生活を営んでも問題はなく、性交によって妊娠に支障をきたすとは考えられていません。
また、人工授精の当日か翌日に夫婦生活を持つと、妊娠率が上がるとも言われており、夫婦でスキンシップを持つことで精神的にリラックスできれば、それが妊娠によい影響を与えることも十分に考えられます。
しかし、もし、人工授精の後に腹痛や少量の出血がある場合は、夫婦生活を避けるようにしましょう。
人工授精後の腹痛は排卵痛であるケースが多くなっています。
しかし、ごくまれながら感染症を起こしている可能性も考えられますので、そういった場合は夫婦生活を持たず、病院に相談するようにしてください。
妊娠の期待が高まってくると、「妊娠しているかもしれないから、運動はしない方がいいかな」、「妊娠しているかもしれないから、重い物を持ったりしないようにしよう」などと、女性はどうしても自分の行動を制限しがちになります。
しかし、高温期のうちからあれこれと考えていても、妊娠に特に大きな影響を与えることはありません。逆に極端に行動を制限して家にばかりこもっているとストレスがたまり、それによって血行が悪くなってしまいます。そうなると冷えやむくみが起こりやすくなり、妊娠の妨げとなってしまうことも考えられます。
安静にし過ぎることがかえって妊娠を遠ざけてしまっては、元も子もありませんので、あまり気にし過ぎず、いつもどおりの生活を送るようにしましょう。