吸引分娩になった場合、どんなリスクがありますか?
陣痛が弱かったり、母体の疲労が激しい場合、胎児の心拍数が低下した場合など、緊急事態に行われるのが吸引分娩。
そもそも緊急な状態ですので、何かしらの問題があるのは当然ですが、「吸引分娩」自体にリスクはあるんでしょうか?
もちろん、「胎児の頭を吸引器で無理やり引っ張る」のですから、吸引分娩自体にもリスクは少なからずあります。
吸引分娩というものは全ての妊婦さんに可能性がある分娩方法ですし、特に35歳以上の高齢出産の場合は吸引分娩になる確立が高くなります。
これから出産を控えている方は、パートナーも含めてしっかりと吸引分娩のリスクについて学んでおきましょう。
リスクは胎児と母体の両者に存在します。
胎児への吸引分娩のリスク
一番気になるのは「胎児への吸引分娩のリスク」でしょう。
胎児の頭を引っ張るのですから、万が一という事もあり得ます。
主なリスクは以下のとおりです。
いずれも稀なケースですし、そうそう発生はしないレベルでのリスクですが、念のため記載しています。
- 黄疸
- 産瘤
- 頭血腫
- 頭蓋内出血
- 分娩損傷
また、柔らかい胎児の頭を引っ張る為、頭が変形(長くなる?)する場合もあります。
ただ、この場合、自然と頭の形は綺麗に戻っていきますので安心してください。
ちなみに頭部の形は3歳までに吸引分娩による影響は消えてなくなり、遺伝による影響に支配されると言われています。
母体への吸引分娩のリスク
胎児と比べてそんなにリスクはありませんが、それでもしっかりと母体への吸引分娩のリスクは存在します。
- 出血
- 頚管裂傷
- 会陰裂傷
- 尿道膀胱裂傷
- 膣壁裂傷
などが起こることがあります。
可能性は少ないとはいえ、起こり得ることですので認識はしておきましょう。
このように母子ともにさまざまなリスクが存在する吸引分娩ですが、帝王切開や鉗子分娩と比較すると安全な分娩方法と言えます。
お医者さんの腕前を信じて安心してお産に臨みましょう。